滋賀県、環境保護や雇用創出のために補完通貨の導入を検討

2010年4月7日(水)に滋賀県大津市で、環境保護や将来的には雇用創出のために補完通貨システムを導入する可能性についての講演会が開催された。

滋賀県には日本最大の湖である琵琶湖が存在し、この琵琶湖は滋賀県民のみならず京都府民や大阪府民、さらには兵庫県民の水がめともなっている。琵琶湖の水質に対する懸念から滋賀県では環境運動が盛んで、2006年7月には環境派の嘉田由紀子知事が就任している。補完通貨の専門家であるベルナルド・リエター(Bernard Lietaer)氏が今回、同県に対するコンサル活動を行う目的でベルギーから日本に招聘され、月曜日に同知事と面会した際にリエター氏は、同県における環境政策の推進目的の補完通貨の概略を紹介した。

彼の講演は、工業化時代にデザインされた大規模システムが、ポスト工業化時代に入ったことにより危機に瀕しているという事実を示すことから始まり、一般的な思い込みとは裏腹に、通貨制度が「価値観に対して中立ではない」(つまり、ある価値観の実現を推進する一方で、他の価値観の推進はむしろ妨害する)ことや、特に現在の法定通貨が過度に陽的(男性的)であることから、陰的(女性的)価値観を推進するためには別の通貨が必要であることからわかるように、異なった社会や経済の目的を追求するのであればそれにふさわしい通貨制度が必要であることが示された。

リエター氏の提案は、滋賀県が抱えるさまざまな課題に対処するために、2種類の補完通貨を導入するというものである。まずは、欧州4都市(ブリストル(英国)、ブリュッセル(ベルギー)、リバプール(英国)、ルクセンブルク(ルクセンブルク))で導入が検討されている事例と同様に、「びわ」と呼ばれる新しい補完通貨でのみ支払い可能な環境税の導入である。これが実施されると滋賀県は、二酸化炭素の排出権の際のように、環境のためになるボランティア活動を実施することで納税額相当のびわを稼ぐか、あるいは誰かからびわを買い取ることで納税額相当のびわを手に入れることが必要になる。2つ目は、南米のブラジルやウルグアイで導入されている企業間通貨を導入することによって企業間取引を推進し、これによって雇用創出を推進するというものである。

会場からはびわに関する質問が集中したことから、滋賀県では補完通貨の社会経済的な側面よりも環境保護的な側面に対して注目されている一方で、悪化する一方の労働条件にはあまり関心が払われていないような印象を私は受けた。とはいえ、滋賀県には数万人のブラジル人が居住しており、日本の製造業の苦境により彼らが失業に苦しんでいる現状を考えると、雇用創出について滋賀県が真剣に対処するつもりであれば、ブラジルはフォルタレザ市で生まれ、雇用創出に大いに役に立っているパルマス銀行モデルの導入についても真剣に検討することが推奨される。

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